Ｃ型肝炎 訴訟問題 旧ミドリ十字社と厚生労働省

Ｃ型肝炎薬害報道について

２００８年１月、薬害C型肝炎の被害者を救う一律救済法案が可決されたニュースが、連日のようにテレビや新聞で報道されていました。
なかには「薬害C型肝炎って何？」と思われている方もいらっしゃるでしょう。
どのようなことがあったのかをご存じない方は、

こういうのとかで確認です！

そもそもC型肝炎の感染経路というのは、血液によって感染するもので、長い期間を経て、肝硬変や肝臓癌になると言われています。
とはいえ、現在は輸血で感染することはほとんどなく、主に注射針などで感染することがほとんどです。
しかし、現在の医療機関では注射針も使い捨てのものを使用していますので、C型肝炎になる心配もいりません。
一方で、薬害C型肝炎というのは、血液から作られた血液製剤フィブリノゲンが原因でC型肝炎になったものです。
血液製剤は、出産や手術などで止血する際に使われる医薬品で、血液が原料となっています。
まだ肝炎ウイルス検査が確立されていなかった頃、献血などで集められたウイルス入りの血液が入った血液製剤を投与されたために感染したのを薬害C型肝炎といいます。
血液製剤といえば、これが原因で問題になった薬害エイズ事件も、まだ記憶に新しいことでしょう。
今回和解が成立したＣ型肝炎薬害訴訟という問題は、薬害の原因は厚生省にあるんだから国が薬害Ｃ型肝炎の患者を救済してくれよ、と訴えを起こしたものなのです。

福田衣里子さんのブログ

こんなのが出ている一方で薬害C型肝炎訴訟の原告の一人、福田衣里子さんがブログを書いています。
１９８０年に生まれた福田さんは、２０歳の時にC型肝炎であることを知ります。
福田衣里子さんの感染経路の原因は、生まれてすぐに血液交換をする時に使われた血液製剤クリスマシンです。
クリスマシンは、血友病患者のために作られた製薬ですが、適応されていない小児医療に使われていたといいます。
この情報を新聞で知り得た福田さんは親に勧められて検査を受け、その結果、陽性反応が出てしまうのです。
福田さんのブログでは、C型肝炎の治療の辛さや患者でしか分からない苦しさを知ることができます。
血液製剤フェブリノゲンだけでなく、小児科医療に使われる血液製剤でもＣ型肝炎の感染経路になっているのです。
福田さんが積極的にテレビ出演したり表に出て活動している理由は二つ。
福田さんと同年代の人たちが福田さんを見て、C型肝炎検査に興味を持つこと。
C型肝炎は普通の生活では感染しないことを知って欲しいこと。
薬害エイズ問題と同じで、誤解されやすいＣ型肝炎ですが、福田さんのようなＣ型肝炎薬害患者さんのおかげで、広く世に認知されるきっかけが生まれたのです。
C型肝炎は、放置しておくと慢性肝炎から肝硬変になり、最終的には肝臓がんになると言われています。
Ｃ型肝炎の治療は、インターフェロンでウイルスの抑制を抑えたり、リバビリンという飲み薬を併用してウイルスの増殖を防いだりします。
インターフェロンは集中的に連続して投与するのに対して、ペグインターフェロンという週１回で済む皮下注射があります。
ペグインターフェロンは、インターフェロンに比べて副作用も少ないと言われていますから、これらの注射や薬を上手に組み合わせて治療に使われることになります。
どちらにしてもＣ型肝炎の治療は長期戦になります。
薬害でＣ型肝炎になってしまった人の心中をお察しします。

Ｃ型肝炎キャリアと原告団、支援者の活動

C型肝炎について調べると、キャリア、ウイルス保持者という言葉をよく目にします。
肝炎ウイルスを持っている人のことを、キャリアといいます。
キャリアを持っていても、Ｂ型肝炎は、自然に治る方がたくさんいらっしゃいます。
肝炎ウイルスキャリアには自覚症状がないため、自分がキャリアであることを知らない人が、ほとんどでしょう。
このようなキャリアを無症候性キャリアといいます。
ＨＩＶウイルスも潜伏期間が長く、ＨＩＶに感染しているだけの状態では自覚症状が何もないのと同じですね。発症して初めてエイズ患者という扱いになります。
C型肝炎もまた、無症候性キャリアが多く、まだ発病していない人がたくさんいます。

ちなみにこういうのが出ているので、調べることは簡単なんですよ。

今、なぜC型肝炎が注目されているのでしょう？
それは、肝臓がんで亡くなる死亡率が年々増加しているからです。
肝臓がんで亡くなる原因の約８０パーセントがC型肝炎ウイルスによるものなのだそうです。
薬害によってC型肝炎ウイルスに感染した方や、注射の使いまわしによって感染した世代の方たちが、肝臓がんになったためとも言われています。
Ｂ型肝炎には、予防法が確立されており、ワクチンも開発されています。
しかし、C型肝炎にはまだ、ワクチンがありません。
Ｃ型肝炎は肝臓の病気ですので、血中アンモニア濃度が高くなって物忘れが多くなったり、手がふるえる、不眠などの症状が現れます。
肝機能を守るために脂肪や塩分の取りすぎ、鉄分の取りすぎに注意したりする食事療法もＣ型肝炎治療には取り入れられています。
それから薬害C型肝炎の訴訟は、いろいろな人が応援しています。
調べてみると、各地域で支援者の会というものが設立されていますし、支援者の会に入ることができなくても、みんなの願いをつなぎあわせるハンカチメッセージというのがあるようです。
全国弁護団ホームページで、その内容を見ることができます。
また、支援者の会で活動されている方のブログを見れば、集会のお知らせや原告の方達のブログもたくさん紹介されています。
薬害Ｃ型肝炎訴訟原告団や支援者の方達の、これまでの活動内容や治療の辛さ、苦労が読み取れるものとなっています。